サン・サーンス「クラリネットとピアノのためのソナタ」他

  • 2006/05/07(日) 14:39:48

今回紹介するのは、サン・サーンスによる木管楽器のためのソナタを集めたディスク。前々から紹介したいと思っていたのだけれど、輸入版のためなかなか画像などが見つからなくてここまで来てしまった。

入っているのは、
「オーボエとピアノのためのソナタ」
「クラリネットとピアノのためのソナタ」
「ファゴットとピアノのためのソナタ」
「フルートとピアノのためのロマンス」
「フルート、オーボエ、クラリネットとピアノのためのカプリース」

どれをとっても美しく印象的な曲。オーボエはゴリツキ、クラリネットはローデンホイザーと、ドイツにおける超一流の顔ぶれが並ぶ。サン・サーンスはフランス人だけど、曲の作りはカッチリしていてドイツの音色もよく似合う。録音的にもかなり良い部類に入るだろう。

木管楽器の音の美しさを再認識させられた一枚。



   


R・シュトラウス 交響詩「ドン・ファン」

  • 2006/03/21(火) 09:10:40

なんと言っても出だしの格好良さ!この曲ほど曲の頭が格好良い曲というのは、他になかなか見つからないだろう。某芸能人格付けバラエティ番組でおなじみの(?)あの曲、と言ってしまえば話は早い?(グローフェ作曲「ミシシッピ組曲」をウルトラクイズのあの曲、と言うようなものですね)

R・シュトラウスときたらウィーンフィルで聴くでしょう。物語の緩急と色艶という点では他の追随を許さないんです。だから今回は全てウィーンフィルのディスクばかりです。

最もオススメしたい盤がドホナーニのもの。精緻かつ流麗、この曲とウィーンフィルの美しさをそれぞれ存分に鳴らしています。次にクラウスですが、残念ながらこれはモノラル録音。録音自体は悪くないので、より「濃いウィーンフィル」を聴きたい場合はこちら。そして壮年期のカラヤン。もともとR・シュトラウス独特のコブシがウィーンフィルという楽器には沁み込んでいるためか、あまり表面的になっていないのが好ましい。

次にベーム。多少流れが途切れるような感覚があるけど、これも味?そしてプレヴィンは録音の良さで定評のあるテラーク盤で、オーディオ的空間表現は抜群。ただ、他にあげたCDに比べると演奏自体はサラッと薄味な感じがするのが残念。

  

 



   


スピーカーセッティング変更

  • 2006/03/20(月) 11:47:15

少しだけ変えてみました。高さは変えずに、間隔と方向だけ変更。今までより左右のスピーカーの間隔を14cmほど狭め、スピーカーの向きをリスニングポイントに向かって直線になるようにしました。結果、以前より少しだけ内振りに。

結果はほとんど今までと変わらない感じに聴こえます。ほんの少し「定位がハッキリしたかな」とも思うのですが、気のせいかもしれないというレベル。もともと、おかしく聴こえないようにセッティングした結果が従来の位置なので、「こう置いたら見違えるように良くなった!」なんてのがあっても困るんですが。

同じ内振りでも、以前試してみたような左右の間隔が広めでスピーカーの軸線がリスニングポイントより手前で交差するような、極端な内振りはウチの部屋の場合はあまり良い結果にならないので、今回くらいのリスニングポイントに向かうくらいの内振りが限度。しばらくこれで聴いてみよう。



   


ブルックナー「交響曲第8番」「交響曲第9番」

  • 2006/03/17(金) 06:41:23

正直言って、ボクはブルックナーの交響曲はあまり得意ではない。同じリズムと耳に残らない曲調(失礼!)、どうしても退屈してしまう。一般的にはそこそこ人気のある4番「ロマンティック」を聴いていてもだ。

そして今回紹介する8番・9番だ。決してこの曲を聴いたのはその時が初めてではなかったのだけど、ちっとも良いと思わなかった。それまで同様に「退屈な曲だなぁ」と思っただけだったのだ。ところが、このシューリヒト指揮/ウィーンフィルによる8番・9番だけは違った。聴いていて音楽に入り込める。8番の2楽章の動き、9番全体を支配する祈り…ブルックナーを聴いて初めて味わう感動だった。

現在ではお気に入りの一枚。



   


サン・サーンス「ヴァイオリンソナタ」

  • 2006/03/05(日) 11:32:58

以前紹介したフランク・ペーター・ツィンマーマンも好きなヴァイオリニストだけど、ギル・シャハムも好きなのです。美しい音と圧倒的に高い技術を持ちながら、それをひけらかすような弾き方でなくて自然に、気持ちよく弾いてくれるから。乱暴になり過ぎることがほとんど無いところも好き。

パガニーニ「ヴァイオリン協奏曲第2番」のエントリーの時に「パガニーニ・フォー・トゥー」「シューベルト・フォー・トゥー」というシャハムの録音を紹介していたけど、もう少しシャハムの魅力を追ってみる。1971年生まれのシャハムがまだ20歳になる前、90年の録音となるサン・サーンスのヴァイオリンソナタ。ピアノはオピッツです。もうこの組み合わせだけで悪い演奏になりようがないでしょう。

サン・サーンスのヴァイオリンソナタでは冒頭の鳴り出しからスッと音楽が入り込んできます。テクニックに裏打ちされていて、難所で息詰まるような事が無いというのも一つの要因と思います。終わりのアレグロ・モルトでは、速度が上がっても音楽がないがしろになるなんて事は無く、ピアノとの恐ろしいユニゾンまでもが気持ちよい。フランクの「ヴァイオリンソナタ」とラヴェルの「ツィガーヌ」がカップリングで入っていて、フランクの方はイヤらしくなり過ぎる事もなく、あくまでも曲の美しさを前面に出した演奏。ズカーマンあたりの演奏と比べてみると面白いかも。ツィガーヌはもう、流石です。この曲のためだけに買っても良いかもしれない。




   


ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」

  • 2006/02/26(日) 10:06:22

ラフマニノフの作品の中でも、またピアノ協奏曲の中でも最も有名な曲の一つになるだろう。曲の冒頭から自分を「感動するモード」に切り替えて聴くのがオススメ。

ここでとりあげるのは、まずボレットのピアノでデュトワ指揮/モントリオール交響楽団のCD。1楽章では力強さとピアノのキラキラとした音が非常に魅力的。一音一音が明瞭で、しかもよく歌う。2楽章も歌いこんでいるのだけれど、音量は抑制されていて鳴りすぎることがない。この曲のせつなさを表現するには良い手法なのかもしれない。

次にジルベルシュテインのピアノでアバド指揮/ベルリンフィル。オーケストラの持ち味を良く活かした重厚な鳴り出しで始まる1楽章が好印象。ピアノがオーケストラの一部になったかのように自然に溶け込んでいく。だけど、決して「埋もれて」いるわけではない。ピアノ協奏曲というとピアノを聴かせるものという印象が持たれるかもしれないけど、この曲のようにピアノとオーケストラが密接に絡んでいる曲の場合、ピアノばかりが聞こえてきては面白くないのだ。アバドの指示だろうか、ベルリンフィルはピアノを消すことがないギリギリの線までで抑えながらも、ここぞという時にはオーケストラ全体を鳴らしこんでくる。だからピアノが溶け込むのだろう。一言で言えばバランスが良いのだ。

歌い方としては少し抑え気味なのかもしれない。だけど逆に大袈裟な抑揚が無い分、曲にすんなりと入っていける。ちなみにこのディスクはライブ録音。コンサートでここまでピアノとオーケストラの息が合っていて、そしてこの全体の完成度、まさに名盤だと思う。


 



   


シャブリエ「田園組曲」

  • 2006/02/17(金) 10:41:58

のどかで、どこか淡い郷愁のある曲。狂詩曲「スペイン」が有名な(というか、一般的にはこれ以外ほとんど知られていない気もする?)シャブリエの名作。

プラッソン指揮/トゥールーズ市立管弦楽団のCDでは、曲の細部にいたるまで神経の通った、お洒落な演奏が聴ける。上手いとか録音が良いとかという次元ではなくて、「身体に染み込んだ音楽を素直に演奏するとこうなる」というような、聴き手の側にも染み込んでくるような演奏。

それに対し、慣れないフランス音楽に果敢にチャレンジしたと思われるのが、ガーディナー指揮/ウィーンフィル。演奏はハイレベル、録音も良い。「こうあるべき」という観念が無ければ、とても良い部類に入るだろう。プラッソンのものと比較するとまるで別の音楽になっていて、興味深い。

両方のディスクに田園組曲だけでなく同じ曲が数曲入っているので、それぞれ比較すると楽しい。特にボクが好きな曲、歌劇「いやいやながらの王様」のポーランドの踊りでは、形が大きく崩れた3拍子が印象的なのだけど、これはウィーンフィルの方がノリノリだ。トゥールーズ市立管弦楽団の方は、ちょっと苦しそう。やはり地理的にポーランドに近いという事が関係するのかな?ウィーンフィルの演奏ではところどころウインナワルツっぽくなっているのも、「ウィーンフィルの味」と考えてしまえば悪くない。


  



   


マーラー「大地の歌」

  • 2006/02/11(土) 16:19:30

ベートーヴェンやドボルザーク、そしてマーラーと親交の深かったブルックナーが交響曲第9番で他界している事から、「自分も9番を書いたら死ぬ」と考えたがゆえに、本来「交響曲第9番」となるべきところを敢えて「大地の歌」とされたと伝えられる曲。結局マーラーは次に9番を書き、10番を完成させる事なく他界する。

バーンスタイン指揮/ウィーンフィルによる録音。1楽章、テノールのキングの歌いだしから圧倒される。ウィーンフィルの力もさることながら、やはり二人の歌手も素晴らしい。第6曲「告別」でのバリトンのディースカウも見事。この曲の第一の名盤と評価が高いのも納得。

ディースカウといえば、こちらの録音もあげておきたい。クーベリック指揮/バイエルン放送交響楽団によるマーラー「交響曲第1番『巨人』」とのカップリングとして収められた歌曲集「さすらう若人の歌」。交響曲第1番との関わりの深い曲で、数々のメロディーがここから採られているのがわかる。1番を聴くうえでも歌を聴いておいた方がずっと楽しめるはず。

  



   


ホルスト「惑星」

  • 2006/02/10(金) 21:34:48

新発見の天体が第10惑星と認定されるかどうかが気になるこの頃。宇宙を主題にしたクラシック音楽といえば、これしか思い浮かびませんね。作曲された当時はまだ冥王星が発見されていなかったため、海王星までの7曲で構成される組曲。中でもポピュラーなのは冒頭の「火星」と4曲目「木星」。

1枚目に紹介するのは、今回最もオススメしたいCD。この曲の初演をしたボールトがイギリス以外のオーケストラを振ったもの。オーケストラはウィーフィルの母体、ウィーン国立歌劇場管弦楽団。ウィーンフィルにとってはイギリスものは結構遠い存在らしく、録音もそれほど見当たらない。1959年の録音というけれど、非常に良い状態で録音されている。それもそのはず、ウエストミンスターレーベルなのだ。

ボクは、惑星では神秘性を表現して欲しいと思う。特に女声合唱を伴った曲ではなおさらだ。ナマナマしい音の羅列では宇宙に思いを馳せるなんて、とてもとても。そこへいくと、このボールト指揮/ウィーン国立歌劇場管弦楽団のものは、ウインナホルンや弦楽器の響きの美しさがあいまって、とても神秘的だ。ところどころ糸のほつれというか、機動性に欠けたり音を外したりするところがあるけれど、それを補って余りある。指揮のボールトの指示によるところも大きいのだろう、非常によく制御された演奏だと思う。カップリングされたヴォーン・ウィリアムス作曲「『グリーンスリーヴズ』による幻想曲」もドイツ・オーストリア系では珍しい録音。

次に、同じオーケストラを3年後に指揮したカラヤンの録音。他の録音でも言えることだろうけど、カラヤンは派手ですね。同じ音色のするオーケストラを使っていても、やや表面的。そして、次にはカラヤンがベルリンフィルを振った録音。なにせ機動力と重厚感では他の追随を許さないオーケストラ、派手さはさらにアップですね。今回紹介する中では最も知られた録音かも。

そして、最後に。オーケストラではなくてシンセサイザーで演奏した冨田勲版。発表されたのは1977年。もうかれこれ30年近く前の作品なのに、古さを感じさせない。ホルストの作品の編曲を禁じられたイギリス国内では発売禁止処分になったとか。音空間の作りも凝っていて、曲によってはスピーカーの間から音がするだけでなくリスナーの左右や後ろにまで音が回る箇所があって、そういった面でも楽しめる1枚。


      



   


マーラー「交響曲第2番『復活』」

  • 2006/02/05(日) 13:05:10

昨日、マーラー「交響曲第5番」を引き合いに出してしまったので続いちゃいますが。ひと頃のマーラーブームもおさまって、だいぶ一般的になった感のあるマーラー。木管と弦による室内楽のような場面から、大編成ならではのスケール感のある場面までのコントラストとが魅力。そして、マーラー独特の浮遊感。

ここで紹介するのはヘルマン・シェルヘン指揮/ウィーン国立歌劇場管弦楽団のCD。録音は1958年と古いですが、悪い録音ではありません。ウィーン国立歌劇場管弦楽団というのは、ウィーンフィルの母体。だいたいイコールで考えて良いですが、団体としては別扱い。国立歌劇場のオーケストラの団員が、自主的にコンサートを運営しているのがウィーンフィルだからです。なので、ウィーンフィルは「世界最高のアマチュア」と呼ばれたりもしますね。

このシェルヘンによる「交響曲2番『復活』」は、ボクが持っている同じ曲の入ったCDの中でも最高に好きな1枚。国立歌劇場の音楽監督を務め、妹はウィーンフィルのコンサートマスターだったロゼーに嫁ぐなど、公私ともに関係の深かったマーラーの、初期の傑作。マーラーらしい不思議な浮遊感を存分に楽しみたい。


※シェルヘンなのに文字化けしてます



   



title= /%calender_sunt=tendonzakki02-22 name= title=%topentry_categorya href=div id= / rows=a href=%topentry_link name= name=